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10/18/2010

The Escapologist

 わたしはいわゆる傍観者ってことで無実のBetty。

 涼しくなってママはまたゴルフレッスンに通っている。今朝もドッグランでわたしたちを消耗させ、朝一番のクラスに向かった。ママが家を出てから帰るまでほんの1時間半くらい、トイレを済ませたDennyはクレートに入れられる。

 しかし、だ。せっかくゴマミソ兄妹にドッグランの使用を先に譲ってもらったのに、だ。(大感謝!)疲れてよく眠るよう仕組まれたはずなのに、だ。

お帰りなさい、ご主人様
左足に上手に重心を
移せるようになりましたか?
 Dennyはいつものように寝室のクレートの中で怒っているのではなく、リビングからすたすた歩いてきてママを出迎えた。そう、クレートの扉が開いている。

出入り口のへこみは
パパが組み立ての時やったから
この脱出に関係はない、はず。

 むちゃくちゃやって足や歯に怪我をした様子もない。よだれが落ちているわけでも、毛が抜けているわけでもない。

内側からどうやって
入り口のばねの鍵を
開けられるのだろう?
持ち上げて下げるなんてできる? 

ママははてなマークを顔中に貼り付けたまま、黙って家の中にいたずらの後はないか、おもらしでもしていないか、じろじろ見て回る。しかし、何事もない。

 なぜ、わたしは出てこないのかって?ドアのチャイムが鳴ると侵入者を警戒して吠えるのを、多くの人が目撃しているものね。
 でもね、家に誰も人間がいないとき、わたしはほとんど吠えません。援軍もいないのに敵に挑みかかるほど愚かじゃないの。番犬なんかじゃないから。明らかに家族の帰宅だとわかる時以外は、静かにリビングで様子を見ている。

 最近はビビリDennyが先発隊として忍び足でチェックに行く。それってDennyがリーダーになりつつあるんじゃないの?ってママは怪しんでいるけど。

 今はママの様子がおかしいので、動かないに限る。静かな時のママが一番怖い。

とにかく黙秘。
怪我がなくて被害もないなら
なんだっていいじゃない。 

どうやってこのクレートから抜け出たのか、本当に何も悪いことをしていないのか、いまだにわからないママ。もしかしたら鍵をかけ忘れたのかな。

 一部で「不思議ちゃん」と呼ばれているトラママの息子だから、Dennyも「不思議君」でいいのかな、とも無責任にも思うらしい。じゃあこれから留守番はどうさせたらいいのか、工夫しなくちゃいけないなあと結構のんびりかまえている。
 わたしはリビングのソファで
寝ていたから知らないの。
もっとも知っていても
教えようがないでしょ。

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