Day 5!

　ぼくは早起きDenny。
 　野生の本能としては、夜明けごろと日暮れに活動が活発になるらしい。

朝は一番燃える！けっこう足腰強くなってきたよ。

　この家族は早起きが得意。ぼくがちょっと目が覚めて、トイレに行きたいような気分になったのは早朝4時前。でも、ママには誤差の範囲。野性味あるんだね。

　彼女はいつもは5時起床だけど、自然に目が覚めるので目覚ましはいらない。
　かつてはCookieとBettyが枕元で、じーっとママの起きるのを待っていた。でも、決して犬は人間を起しはしない。人間がリーダーだから、起きる時間は人間が決める。もっとも、朝起きたらすぐに犬ごはんなので、その期待のオーラで目が覚めるのかもね。動物の体内時計は実に正確。おかげで寝坊してAoaoのお弁当を作りそこなったことはないそうだ。

バトルの後はのどが乾く。あるだけ飲みたい！！

　しかし、休日寝ていたい時は、寝たふりをしなくてはならない。基本的に彼らに休日はない。時間が来て、ママが目覚めたとたん「ごはんの喜びの踊り」が体の上で始まる。だから決して目を開けてはいけない。

　午後さすがに眠くなったママがうとうとしている。ぼくはどうも歯がむずむずするから、ダイニングテーブルの足を噛んでみる。いい感じ。ごりごりごりごり。

　すると眠りの底からママが浮かび上がってきて、発見、絶句。おとなしい赤ん坊だと油断しすぎだね。ぼくは子犬だ。当然歯がかゆい。

はて、これはなんでしょうか。

　ママが取り出したのは2年前のビターアップル。家具へのいたずらの少なかったBettyにはあまり使わなかったんでしょ。ぼくはこの味嫌いだね。すごく感じ悪いよ。

2年前の残りでしょ。濃縮されていない？

ありえない！

はいはい、タイヤのおもちゃでがまんするよ。

　今日は、フードに鶏むね肉＋牛肉のミンチ＋Bettyの手作りごはんのお汁が足された。牛肉っておいしいね。

　体重8.6kg。

Day 4!

　今日もBetty。　
　日曜日の朝、人間たちは前日の夜録画したFOXの「American Idol season 9」などを観ながら朝ごはんを食べている。FOXにはこの家族がそろって観られる番組が多いらしい。しかし、1曲終わってパパが上から目線でコメントをする度に、「勝手に1人でTwitterしていて！」とAoaoに怒られる。なるほどね、中高年の人間がTwitterにはまるのはこういう理由もあるのかな。人間も大変だね。

ランディのYo Yo Yo! っていうのを、

毎回真似するのもやめておいたほうがいいよ。

　今日もよく遊んだ。Dennyの足腰は少ししっかりしてきた。実際あの赤ん坊の足はわたしより太い。わたしは極小のラブだけれど、あの子は特大のゴルになるらしい。でも、まだまだ筋肉は柔らかくて、あの体重をなんとか支えているだけ。当分手加減してあげるから、たくましく育ちなさい。

左、2ヵ月の赤ん坊、右、2歳の乙女。

　赤ん坊は遊び疲れるとぱったり寝る。掃除機もテレビの音も、人間たちの大声も気にならないらしい。トイレは今日1回も失敗しないし、君はなかなか大物だね。

 

Denny、男はつらいんだ。お前ならわかるよな。

Day 3!

　わたしはBetty。
　朝から臭い。Dennyはりっぱなウンチが出たんだ。おなかの調子が治ったってみんな喜んでいる。フードのウンチってこんなに臭かったのかな。


　運良くコストコに今のトイレとおそろいのぶどうの箱があった。見事にトイレ増築完了。赤ん坊の癖に、わたしと同じサイズのトイレを使うなんて。将来、これより大きくする必要性があるのだろうか・・・。パパはそのことに気づいていない。

広かったサークルも立て込んできた感じ。

実はこの時奥のクレートでわたしが寝ている。

　Dennyはわたしの後ばかりついてくる。もちろんわたしだって気になるから、いつも一緒の部屋にいるけれど。今日は遊ぶ時にも結構ガッツを見せてくれた。

Denny、君の足がわたしのおしりにのっているけど。

わたしは大人だからかなり加減して遊んであげてる。

でも、ハリー大王のおかあさん、ごめんなさい。

いただいたおもちゃ、ぼろぼろで修理中です。

　フードをいつも少し残すので、ママがとりむね肉をバーミックスでぐちゃぐちゃにしてよく混ぜ込んでみたら、Dennyはしみじみよく食べてる。わたしのごはんのお汁だけ少しもらってたけど、どう？おいしいでしょ。これから少しずついろいろなものが混ざっていくよ。


　バーミックスを使うのはCookieがいなくなってから初めて。肝臓によさそうなごはんを、さらに消化よくするために、毎日バーミックスで粉砕していた。うちの犬たちは赤ん坊の時も病気のときも、バーミックスのお世話になるんだ。
　人間のためには面倒だから使わないっていうママは、どこか間違っている。

Day2!

　ぼくはDenny。

　ボストン･リーガルのデニー･クレインって、昔スタートレックのカーク船長だったんでしょ。ともかく、娘がAoao、犬がBetty、Cookie、次はDのつく名前を考えたんだって。
　昨日の夜は、寝室のクレートの中だったけれど、すぐそばにママとBettyが寝ていたから、そんなにさびしくなかった。

寝息も大物っぽくでかいよ。

　ご飯ちゃんと食べたよ！ご近所の大御所キック女王とハリー大王の飼い主さんたちが、様子を見に来てくれて、ぼくにお昼ご飯を食べさせてくれた。ママがおとなしすぎるから病気じゃないかしらって言って笑われてた。こういう食べるスピードもありなんだ。FT系のラブなんかと一緒にしないでよ。

　同じ英ゴルのジュディ姫の飼い主さんも来てくれた。生後45日でやってきたジュディは2.5kgしかなかったんだって。ぼくは生後60日で8kgあるよ。

目が覚めると、Bettyが遊ぼうって誘ってくれる。

ぼくらはチームになるんだ。

　よく寝て、おしっこして、Bettyと遊んで、ゆっくりゆっくり食べて、また寝るんだ。フードをやわらかくして、ゆでた鶏むね肉を裂いて混ぜ込むって、Mrs.ず が教えてくれたみたい。でも、肉ばかり食べているってAoaoにばれてしまった。ぼくら似ているね。

　ぼくにとってコストコトイレPuppy仕様はすでに狭いらしい。みんなのアドバイスで増築決定。明日コストコにいい箱があるかなあってパパが言ってた。

Day 1!

　わたしはBetty。ついに運命の日が来た。
　これは、ママが西のベランダに金運を願って置いたイングリッシュローズのゴールデン・セレブレーション。南東のベランダのバラたちは風とアブラムシにぼろぼろにされたのに、この黄色のバラだけ見事に満開。さぞかしお金がざくざく･･･のはずが、やってきたのはゴールデンの男の子だった。

お別れのとき、甘えん坊のDenny・・・Mr. ず 愛情演出

　興奮しきったママとAoaoが帰宅。とらママが一緒にやってきて、新しい家をさっとチェックして、あっさり息子を置いて帰っちゃった。赤ん坊も一瞬めそめそしたと思ったら、すぐにのんびり昼寝を始めた。

　おしっこをするまでサークルから出さないってママがねばるので、わたしは手が出せない。わたしのクレートも貸してあげた。お気に召したようだ。隅っこや何かの下が好きな子なんだ。

　

　お昼ごはんを食べさせるっていうので、わたしも10粒ぐらいなつかしのドッグフードを食べた。1年ぶりかな。結構いける。

  でもね、この子、食べるのがのろい。ぐずぐずして結局残したから、緊張して食べられないのねと片付けられた。しばらくしたら、「おや？ここにあったはずなのに」って食器を探している。

　　2時間後、見事に初おしっこ成功。結構我慢できるね。

　サークルの外に出てわたしに挑むから、やるの？ってちょっとすごんだら逃げちゃった。まだ足腰がくにゃくにゃしている。ラブの筋肉とはまるで違うんだね。

　パパが帰ってきて、わたしの2歳の誕生会。

　ドッグデリ東京のケーキを買ってきてくれた。4分の1ずつ一気に飲み込む。全部食べられるのに、多すぎるからって人間も食べちゃった。

　もちろん赤ん坊は鶏胸肉を煮たのだけ少し。そして、わたしの水を恐ろしいほど大量に飲んだ。

りんごといちご、さつまいもといろいろ。

来年は一緒に食べよう、Denny!

どう考えても飲みすぎだよ、坊ちゃん。

　その後、かなりゆるいウンチを2回もした。食欲も元気もあるけど、これは変なので夕ごはんは抜き。よーく寝て、明日は元気になってごはんを食べて、わたしと本気で遊ぼう！

　犬が寝るのはママの寝室。赤ん坊も一緒に移動して今度はCookieのクレートで寝かせる。とらちゃんからもらった「とらママのにおいつきバスタオル」も入っている。下痢がひどくなったら心配だと、相変わらず小心者のママ。いいから寝よう。

Everything is ready!

　わたしはBetty。
　曇り空の一日。今日もママの動きは怪しい。フローリング部分に犬の滑り止めワックスがかけられた。

　先週末ママとAoaoが大騒ぎをして組み立てたサークルには、果物の箱が置かれた。


　我が家の犬のトイレはコストコからもらってくるカラフルな果物の箱。浅い箱に入ると「個室」って感じで、子犬だって覚えやすい。体の成長に合わせて箱を合体して増築してもらえるしね。汚れたら捨てればいい。
　でも、わたしのトイレはバスルームにちゃんとあるし、ちっとも汚してない。

豪華一戸建てトイレつき。これも増築可能。

コストコにいつもかわいい箱があるとは限らない。

行く度にチェックしているらしい。

　ママはダンバー博士の本を開いてはいるけれど、眠くて無理。ゴルフスクールのおかげで肩こりは治ったけれど、やたらに疲れるみたい。なぜか中間テスト前のAoaoも限界で、朝3時に起きるからと寝てしまった。仕方がない、おつきあいしてわたしも寝ることに。
　　

The story of Betty's early life

　わたしはある夏の夕方、この家に拾われた。２ヵ月半ぐらいだった。

　最初の家族は、わたしをブリーダーに返品したのだ。先住犬を病気になるほど困らせたからだって。結局ブリーダーも実の母犬もわたしをもてあまして、ずっちゃんファミリーに助けを求めた。


　そこでこの町で新しい家族探し作戦が行われた。あちこちお願いして歩いて日も暮れかかった頃、Cookieを散歩中のパパが哀れなわたしを見てしまったというわけ。
　夏風邪で寝込んでいたママも無理やりベットから引きずり出され、高1だったAoaoのおねだり攻撃を受けているうちに、わたしはこの家の子になった。いつものように最後に決めたのはママ。結構甘いよね。

右の炭ちゃんはこの後まもなく割れて修復作業が行われた。
犯人はAoao。

　この頃のことはよく覚えていない。とにかく不安で、ひたすら誰かにくっついていた。いたずらをするひまもなかった。あまりに情けない顔をしているからと、アグリー･ベティから名前をもらってしまったほど。

　　最初の一週間、わたしを無視して徹底的に避けていたCookie。でも、どうしても遊んでほしくて後ろ足や口の横をちょっとばかり噛んで誘ってみた。あちこち血が出ちゃったみたいだが、黒いから人間たちは気がつかない。ラブの子犬ってこんなものでしょ。


　ついに逆切れしたCookieがわたしに反撃した時、みんなの喜ぶこと、喜ぶこと。やっと自信がついたCookieは、わたしとジュラシックパークみたいなバトルを繰り広げ始めた。あの夏は9歳だったんだね。

なぜか時々線対称。

ご飯はひと粒も分けてくれなかった。

　それから最後の朝までずっと一緒。短かったけれどすばらしい1年半だった。

The silence before the storm

　ママが黙々と家具を動かしている。腰に悪いから重いものは持てないと、絶対に１人ではコストコに買出しに行かないくせに、こういう時は何時間でも独りで作業し続ける。


　以前Cookieの病気がわかった頃、ママはプールパーティのお誘いを断って、リビングの壁を緑に塗っていた。突然Cookieが旅立ってしまった時は、しばらく寝込んだ後に恐ろしい勢いでラグやクッションを捨て始めた。


　みんな慣れてしまって気にしない。パパとAoaoはO型だけれど、ママはB型だから仕方がないらしい。つまり、パパとAoaoはわたしと同じ「大型犬」で、ママはB型犬ということ。犬種が違う。


　それにしてもここ数日は家族中が変。宅急便も次々と届く。パパもAoaoも突然はしゃぎだす。

　わたしはBetty。FT系黒ラブ21kg、

もうすぐ2歳。ものすごい嵐の予感がする。

このおもちゃの感触には結構はまるよね。