ぼくは、雨の朝は機嫌が悪いDenny。
ちょっと涼しくて気持ちがいい朝だけれど、雨では散歩は延期になってしまう。Bettyは、散歩の合図が出ないかと人間の一挙一動を執念深く追いつつ、ストレス解消にぼくと激しく戦う。戦い終わるまで、朝ごはんが出なかったのも不愉快だ。
ママは、昨日パパと出かけたシャガール展のカタログを見ては笑っている。
シャガールのロバの顔は、ぼくにそっくりなんだって。大きな頭に大きな目で、ちょいと無表情。つまり、とらママのこどもたちは、みなシャガールのロバ。
ちなみにBettyのまなざしは、やたらに空中に浮かぶニワトリ、もしくは、にやにやしている羊に似ているらしい。つぶらな眼だけれど、少しだけきついんだ。
どうしてぼくたち、ロバやニワトリになるわけ?
舞台の準備デッサンが面白い。
「動物たちのバレエ」の脱力感。
「動物たちのバレエ」の脱力感。
「夜の女王」の王冠には金紙が貼り付けてある!
それにしても、ママはすぐ近くの東京都美術館が改装中なのが寂しいらしい。大学生のころから1番訪ねた美術館じゃないかな?
ずっと美術部だったママは、高校生の時シャガール風の絵を描こうとして挫折した。あの冗談みたいな構図を自分のものにすることもできず、巧妙に真似したつもりの青い色の使い方も、相当痛い感じだったらしい。
以来、油絵は描いていない。美大もあきらめた。
30年経って、シャガールっぽい犬たちと暮らしているなら、まずますでしょ。
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